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INTERVIEW

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Vol.94 ハジメタル インタビュー

サポートキーボーディストとして2019年からGLAYと共にステージに立つようになったハジメタル。2020年1月に『GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM』を完走した直後、ご承知の通りコロナ禍で世界は一変。ドームツアー中止を乗り越えて開催された2020年12月19日?20日の『GLAY DEMOCRACY 25TH “HOTEL GLAY in SAITAMA SUPER ARENA』でもハジメタルは大活躍している。6月2日(水)に映像作品としてリリースされる同公演の細部を観返すと、ハジメタルの多才さ、プレイヤーとしてだけでなくそのキャラクターの振り幅の大きさに気付くことだろう。中學時代にバンドでGLAYをコピーしたという、メンバーより10歳も年下の若き鍵盤奏者が今、GLAYにおいてどのような役割を果たしたいと考えているのか? サポート參加するようになった経緯から今後の展望までを尋ねた本インタビューは、GLAY論としても興味深い內容となった。

2021.05.11

まず、ハジメタルさんのプロフィールを改めてお聞かせください。以前はミドリのメンバーとして活躍されていましたよね?

ハジメタル
ミドリというのは2003年に大阪で結成されたバンドなんですが、僕が加入したのは2004年の10月頃で、大學3年生、21歳の時でした。他のバンドを観に行った時に対バンでミドリが出ていたのがきっかけで、その後何回か観に行っていたらホームページでメンバー募集があったので、「やりたい」と申し込んで。だから、最初はお客さんだったんです。高校生の頃にもうバンドは組んでいたんですけど、ちゃんとライブハウスに出るようなバンドに入ったのはミドリが初めてでした。

パンキッシュでユニークなバンドでしたよね。

ハジメタル
そうですね(笑)。僕が入る前はもっと過激で変な感じだったんです。僕が鍵盤奏者として入った後2007年春に上京して、その年の秋にメジャーデビューしました。いくつかの作品をつくって、ライブをたくさんして、フェスとかにもたくさん出たんですけど、2010年の年末に解散しました。その後は、知り合いのシンガーソングライターの子のサポートをしたり、SCANDALへの楽曲提供もしたり。バンド時代の繋がりを元にいろいろな活動をし始めたという感じですね。その中でソロ、mezcolanzaなどの活動をしてきています。

GLAYのサポートをされるようになった経緯を教えてください。HISASHIさんから急に誘われて『ニコニコ超會議』(2019年4月)に出演した、と當時報じられていた記憶があるのですが…。

ハジメタル
僕が聞いた話だと、HISASHIさんは、ミドリが活動している時から知っていらっしゃって、CDも買ってくださっていた、ということでした。一番「近付いたな」と思ったのは2015年ぐらいのことで、僕はTHE 夏の魔物というグループのサポートをしていたんですが、HISASHIさんがミドリのヴォーカル?後藤(まりこ)さんが作詞したシングル曲(「戀愛至上主義サマーエブリデイ」)でギターを弾いていらっしゃって。僕はそのカップリング曲(「どきめきライブ?ラリ」)に參加していたんですよ。「えっ? そんな繋がりがあるんだ」とその時感じたのを覚えています。HISASHIさんが、THE 夏の魔物に 1、2曲ゲスト參加したライブがあって、僕はキーボードとしてサポートしていたので、そこで初めてお會いしたという感じですね。

その時は、いつかGLAYにも參加してほしい、というお話までされたのですか?

ハジメタル
全くしてないです。「遠くにいるビッグ?ロックバンドGLAYのギターのHISASHIさんがいる」と思うだけでその時は終わりました(笑)。ところが、マネージャーさん経由で、そういうお話が2018年の冬に來たんです。連絡先の問い合わせがまずはあって、年が明けて2019年の2月末ぐらいに「スケジュール空いてますか?」という具體的なお話になって。3月にZepp DiverCity であったACE OF SPADESのライブを観に行かせていただいて、そこで改めてHISASHIさんにご挨拶をしました。そこから4月の『ニコニコ超會議』に出ることが決まり、バタバタと本番に向かう、という感じでした。

『ニコニコ超會議』では、GLAY愛とリスペクト、そして笑いに溢れたゴールデンボンバーのライブの後、GLAYは「女々しくて」のカバーを一曲目に放つという最高の対バンでした。あの特別なステージでサポートデビューを果たしたハジメタルさんは、どんなお気持ちだったのでしょうか?

ハジメタル
普通のイベントではないじゃないですか? GLAYの主催でもないし対バン相手がゴールデンボンバーで、お祭りみたいな感じの雰囲気で。だから、「普通のお披露目とは違うな」という感じでしたね。ステージ上でもご紹介していただいたんですけど、その日は他にもトピックが多かったので…(笑)。なにせ、GLAYの皆さんと初めて演奏した曲が僕は「女々しくて」なんです(笑)。リハーサルの時に最初に合わせたのも「女々しくて」(笑)。そのインパクトが大きかったですよね、あの日は。

かなりイレギュラーな形での船出でしたよね(笑)。その後2019年に始まる全國ツアーに帯同されることになります。

ハジメタル
『ニコニコ超會議』の後しばらく空いて、テレビ出演とかがいくつかあって、本格的にGLAYファンの皆さんの前で演奏するお披露目がそのツアーだったので、かなり緊張はしていましたね。

実際にステージに立って、ファンの皆さんの反応をどう感じましたか?

ハジメタル
そこまで感じる余裕がなかったですね。歴代のサポートキーボードの方々はまず、メンバーの皆さんよりも年上で、ミュージシャンとしても先輩の人が弾いている、要はTOSHI NAGAIさんのような立ち位置の方々だったと思うんですよね。でも僕はそうじゃなくて、10歳ぐらい下ですし。レコーディングで特に參加したわけでもないキーボードの人がいる、というのでファンの方からは「誰だろう?」ときっと思われているんだろうな、とは感じていました(笑)。そういうこともあって、メンバーの皆さんが積極的にMCや楽曲の間で、「新しい人が入ったよ」というのを分かりやすくフィーチャーしてくださっていたな、と思います。

やはりプレッシャーもありましたか?

ハジメタル
いやぁ、プレッシャーでしたね。ステージ上でトラブッたりミスしたりすると頭が真っ白になりましたし、演奏技術においてもそうなんですけど、あの″阿吽の呼吸の中に(自分が)いる″というのが、「どうやったら自然に見える時が來るんだろう?」と思いながらやっていました。特に、絶対にミスしちゃいけないような「HOWEVER」や「Winter,again」のイントロとか。アルバムツアーで披露される曲とはまた別の、そういうポイントごとの楽曲は「あぁ、これはすごいな」と思いながら弾いていました。お客さんの反応もすごくて、イヤモニを付けていてもグアーッと伝わってきますし、「本當にすごい経験をしてるな」と思いました。

アレンジに関して、ハジメタルさんご自身の色を出そう、歴代のサポートキーボードの人たちとは違うことをしよう、という意識はあったのでしょうか?

ハジメタル
そうですね。例えば…「絶対に」とは言われてはいないんですけど、イントロとかの印象的なフレーズは完コピというか、原曲に則った感じで弾いて、「あとは自分の感じでやっていいよ」みたいな。そういう、パレットというかキャンバスは広げさせていただけたのが非常にありがたかったですね。ライブなどの映像資料もいただいて、歴代の人たちはどんな感じで弾いてるのか?というのは、セトリでかぶっている曲があれば一応調べたりもしていました。それを參考にすることもあれば、しなかったこともありますけれども。

2020年12月のさいたまスーパーアリーナ2DAYSは、ハジメタルさんの個性が際立つ場面がいくつもありました。具體的には後ほど伺いますが、まず、ドームツアーの中止を経て開催された、という経緯について。當時どんな心境でしたか?

ハジメタル
橫浜アリーナ(2020年1月)の後にドームツアーがある、という流れは知っていて、そこにも參加する予定だったんですが、1月末にライブが終わった後、(コロナ禍で)そうじゃない空気にどんどん(世の中が)なっていったじゃないですか? それで、『ミュージックステーション』に出演した4月3日にTAKUROさんからドームツアー中止の発表があって。2020年は本當ならたくさんのライブに僕も參加する予定だったんですけど、全部無しということになって、ショックではありましたね。メンバーの皆さんとは比べものにならないと思いますが、殘念でしたし、「経験したかったな」とも思っていました。

札幌ドームから場所を移して、さいたまスーパーアリーナでの開催に漕ぎつけることになります。約11か月ぶりのGLAYの有観客ライブ。どんなお気持ちでしたか?

ハジメタル
(2020年)10月ぐらいに「(ライブを)やるかも」という話になって。ドームから會場が変わりましたし、「どんな感じになるのかな?」と思いながら本番に向けたリハーサルに入ったんですけど、スタジオで皆さんと音を合わせながら「あぁ、やっぱりやりたいなぁ」という気持ちが強くなっていきました。メンバーの皆さん、スタッフさんも含めて、その前からずっと準備されていたのも端々に見えてきていて…とはいえ、「當日どうなるか分からない」というのもあって、楽しみでもあり不安でもあり。あらゆる可能性も含めて、同時進行で進んでいた感じです。當日會場に入って検溫するまで、もう本當にどうなるか分からないという気持ちで、(會場での)リハーサルも終えて、いよいよ本番が始まって。1日目の1曲目を演奏した時の喜びはすごかったですね。獨特の雰囲気がありました。

お客様が大きな聲を出すことができない、という制約下でのライブはプレイされる側としてはいかがでしたか?

ハジメタル
その前のツアーではやっぱり、オープニング映像の時點でお客さんの笑い聲などの反応が聞こえていたんですけど、そういうのが一切無くて。手拍子とか拍手とかがメインだったのは結構大きな違いだったし、たぶん映像作品としても大きな違いがあると思います。聲を出せないことに比例して、手拍子も何となく「してもいいのかな?」というムードからたぶん、あの日もスタートしたと思うんですけど、結果的に盛り上がりましたよね。やっぱり入りが素晴らしいなって思いました。皆が「どうなるんだろう?」という気持ちでいる中で「ROCK ACADEMIA」というすごく明るい曲で入って、HISASHIさんがハンドマイクで歌う演出などもあり、″GLAY側が扉を開いてる″という感じがすごく伝わるというか。それがあって「ALL STANDARD IS YOU」に入っていくあの流れは、お客さんに対して優しいなと思いましたね。

素晴らしかったですよね。ハジメタルさんのプレイについて詳しく伺っていきます。ライブ前半にしっとりした楽曲群があり、ピアノ、シンセサイザーを駆使して表現されていました。「流星のHowl」前のピアノソロはどんなイメージでつくられたのですか?

ハジメタル
基本的には「(曲と曲の間を)繋いでほしい」という指定がスタジオリハーサルの時にあって、次のリハーサルまでに考えておく、という感じなんですね。あまりにも違う感じだったら「変更してほしい」と言われると思うんですけど、だいたいは任されます。それで最終的にあの形になりましたね。

約1分間で、宇宙的な壯大な感じからメロディアスなピアノへ移っていくドラマティックな流れでした。最初からあのイメージだったのですか?

ハジメタル
ピアノだけだと他の曲とかぶりそうだなと思って、何か違う楽器も使おう、というのは前提としてありました。次の曲「流星のHowl」にはEDM的な要素もあり、シンセサイザーの音の広がりも元々入っているので、ピアノだけではなくシンセサイザーも使おうと思ったんです。前のツアーの時に、「キーを合わせたほうがいいですか?」とTERUさんに訊いた時、「いや、同じじゃなくてもいいよ」と言われたので、次の曲に入った時に転調を生じさせることで、「そこも音楽的に聴こえるようにしよう」と思ったんですね。だから「どのキーが合うかな?」と考えてキー設定をしたり、音色的にも宇宙的なイメージがあったので、その感じを出しながら歌詞とマッチするようにピアノで孤獨感を出そう、と考えたり。そうやって煮詰めていってああいう感じになりました。

非常に聴き応えがありました!

ハジメタル
いえいえ、本當に緊張しました(笑)。繋ぎを任されることが多いので、「試されてるなぁ」と思っています。

直前が「天使のわけまえ」ですから、そこから空気を換える重大なミッションですよね。1分間というのはそう考えると短いですか? 長いですか?

ハジメタル
どうなんでしょうね? リハーサルの時は、終わった後に聴き返して「なんか急ぎ過ぎてるな」と思ったら修正します。たっぷりとした感じがしつつ余韻を持って終わる、みたいな。制限時間內で″余裕を持った演奏″に聴こえるように、というのは心掛けていますね。

なるほど。そして「春を愛する人」の前にもピアノソロがありました。

ハジメタル
あれは當初、後ろに30秒ぐらいの映像が流れるかもしれないということだったので、その長さに合わせてつくりました。映像は結局流れないことになったんですけどね。春をテーマにした自分のオリジナル曲を30秒にアレンジにしつつ、次の曲に繋がるように転調させたりして披露したものです。

「May Fair」から「春を愛する人」、あの辺りは聴かせるゾーンでしたよね。

ハジメタル
そうですね。生放送ではないとはいえWOWOWでの當日配信もあったので、「大丈夫かな?」という気持ちもありました(笑)。歴史がある90年代の曲ですし、ファンの皆さんからすれば「ここでハジメタルが來るのか?」みたいな(笑)。でもやっぱり、久しぶりのライブだったとはいえ、前にツアーを経ていたというのは大きかったかもしれないです。今できる中のことをして、上手くいって良かったな、とは思っていますね。

「VIVA VIVA VIVA」では、TERUさんが「メタル~!」と呼び掛けてハジメタルさんがシャウトで返す、パンキッシュなやり取りも。あのくだりは事前にTERUさんと打ち合わせていたんですか?

ハジメタル
いや、僕の記憶ではたしか、2日目の(會場での)リハーサルが終わった後に「振るかも。できる?」みたいな感じで言われて。要は映像収録が入ることもあってだと思うんですけども…大きな聲を出しました(笑)。ああいうのはミドリの時はよくやっていて、TERUさんはそれを知ってか知らずか…たぶん、いつものパフォーマンスとは違ってお客さんにマイクを向けたコール&レスポンスはできないから「どうしようかな?」となって、しかもあの曲で他のメンバーの皆さんがセンターステージへ行くということだったので、「あ、じゃあハジメタルに振ればいっか」という感じで思い付かれたのかもしれないです(笑)。あの日ならでは、だったのかもしれないですね。配信のコメント欄を後々見たら、「TERUさん叫んでるけど、何を言ってるんだろう? 気になる」と話題になっていて。「ハジメタルくんのことを″メタル~!″と言ってたんじゃないの?」みたいな(笑)。TERUさんらしい天才的な発想でしたよね。

こうして振り返ると、エレガントなピアノから破壊的なシャウトまで、ハジメタルさんの人間性の幅広さが網羅されていたライブでもありましたよね。

ハジメタル
メンバーの皆さんのお陰だと思います、本當に。前のツアーからもそうですけど、今回も含めて、「サポートメンバーとして、こんなにフィーチャーされるなんて」と驚いています。ある程度「できるだろう」ということで任されていると思うので、それに応えられていたらいいなと思いますし、「じゃあ、どんなことができるのかな?」って、ちょっと実験的な感じでもやってみたいと思っています。

さいたまスーパーアリーナ公演の模様は6月2日(水)に映像作品としてリリースされ、ファンの皆さんのお手元に屆きます。改めてあのライブを今振りかえってみて、どう感じていらっしゃいますか?

ハジメタル
まずは無事に終わったということと、GLAYの皆さんがこういう狀況の中でもライブができると証明したのは、バンドにとっても、このエンターテインメント業界にとってもすごく大きなことだと思います。自分のバンドでも今度ライブをするんですけど、そういう大きな動きは勵みになりますし、逆に言うと大きなものが止まると「やっぱりできないのかな?」という気持ちにもなるので、その影響力というのはすごいことだと思います。常日頃、映像作品というのはそうだと思うんですけど、実際に會場に來られなかった皆さんにとっても、今回のパッケージングは大きいんじゃないかな?って。お客さんの表情が時々映るんですけど、「いろいろな想いで來られているんだな」というのがほんの數秒、本當に1秒でも分かるし、伝わってくるんですよね。「やっぱり、ファンの皆さんも待っていたんだな」って。そういうアナログ的な溫かみと、最新の技術を駆使した映像演出と、その両方がある作品で。″コロナ禍の中でライブをした″というだけに留まらない、攻めの姿勢みたいなものが今回の映像には入っていると思います。それはいきなり大きな本番でできたことではなくて、TERUさん企畫立案による『LIVE at HOME』シリーズで事前に配信ライブを何回か開催して得たものでもあって。さいたまスーパーアリーナに向けていろいろな試行錯誤を重ねてきた結果、というのも入っているし、本當にすごいなと思います。

質問の角度を変えて、GLAY app內でハジメタルさんが選んだプレイリスト「本當はヤバいGLAY」について伺います。どんなふうに選んでいかれたのですか?

ハジメタル
事前に、他の皆さんの選曲を見せていただいたら、GLAYの名曲、もしくは個人的に想い出がある曲という感じでプレイリストを組まれていたので、「じゃあ僕はGLAYの中のある一點にフォーカスしたものにしたらどうかな?」と思って。

GLAYの兇暴な面に著目した選曲ですよね(笑)。

ハジメタル
はい、そうです(笑)。『関ジャム (完全燃SHOW)』で、鬼龍院(翔/ゴールデンボンバー)さんが言われていた″親に紹介できるヴィジュアル系″をちょっとアレンジして、″実は親に紹介できないバンドだった″というコンセプトで(笑)。″良いGLAY″″悪いGLAY″というライブもありましたし、それと併せて、「GLAYのちょっと変わった、こういう部分があってもいいかな?」と、僕らしい感じで選びました。

ハジメタルさんのGLAY観は、遠くからビッグなバンドとして見ていた時と実際に関わるようになってからとでは、どう変化しましたか?

ハジメタル
実は、中學生の時の僕の初めてのライブでは、オリジナル曲の他にGLAYの曲を演奏しているんです。當時『REVIEW』が大ヒットしていて、世代的には音楽を聴くようになったきっかけであり、まずそういう目でGLAYを見ていたので、サポートのお話をいただいた時には本當にびっくりしたんですよ。自分も音楽をやるようになってからは一旦そういうルーツ的なところから離れて、洋楽など他にもいろいろと聴くようになっていったんですね。そして、時を経てこうしてサポートメンバーのお話をいただいて。まだ音楽の耳が全然育っていない未熟な頃に聴いていた音楽を、今度は細かく分析しながら、実際演奏するつもりで聴くようになって。そういう二つの聴き方ができる、比較して聴ける音楽はあまりないし、そういう機會って実は限られていると思うんですよね。GLAYの曲はたくさんやっていたわけじゃなくて、友だちが「歌いたい」と言うので弾いたのが「ずっと2人で…」だったんですけど。すごく遠い存在でもあり、近くの存在でもあったGLAYという皆さんに実際にお會いして感じたのは…「仲がいいバンドらしいよ」という話を聞いたことはあったんですけど、ここまでとは(笑)。25年、30年とバンドをやっているとなかなかそうはいかないと思うんですよね。でも、GLAYの皆さんはすごく自然にディスカッションしながら物事を進めていて。大変なこともあったと思うんですけど、そこに行き著いた存在の大きさ?遠さと、身近さとが僕の中では常に共存してる、というか。不動の4人であり、永井さんも含めてですけど、そんな皆さんの近くに自分がいるというのは不思議な感じなんですよね。ツアー中とかにいろいろなエピソードを聞いたり、実際に目にすることがあって、″答え合わせ″ができることもあるし。「なるほどな」と、演奏以外のことでも気付かされることがすごく多いです。

″答え合わせ″というのは、具體的にどういうことですか?

ハジメタル
バンドがバンドらしく前に進んでいくには、やっぱり、ダイレクトにお互いがやり合うことが大切で、そのシンプルなことに盡きるんだな、ということですね。プロジェクトが大きくなると間にいろんな人が入ってきがちですけど、少なくとも僕が観た中では、GLAYの場合はすごくそれがシンプルに進んでいるし、必要最小限のチームの中で、皆さんが大きなことに向かってやっている、というか。きっとメンバーの皆さんが音楽以外のことも含めていろいろなことに興味があるからだと思います。

今後GLAYというバンドにおいて、どのような役割を擔っていきたいですか?

ハジメタル
歴代いろんな方がサポートで弾いてきているので、そこになるべく忠実に行くこともあれば″僕が思うアプローチ″も間に入れていったりして、楽曲は大切にしつつ、新しい試みも求められていると思うので、その両方をやっていきたいですね。ギターロックバンドなので、HISASHIさん、TAKUROさんが歌の合間にいろいろなフレーズを既に弾いているので、上物楽器としてその邪魔にならないようにしたいな、とは思っています。変にピアノで新たにフレーズを足し過ぎると聴きづらくなってしまうので。例えば「月に祈る」のAメロでは原曲に無いピアノのフレーズを入れていて、今回の映像作品ではそこを映してもらっていましたし、そういったギターのフレーズが弾かれていない箇所で、楽曲に合う新たなアレンジは入れていこうかな?と思っています。あとは、ピアノやオルガンだけに頼り過ぎず、シンセも好きなので、そういう要素も入れていきたいですね。例えば「Into the Wild」などはそういう曲だと思うので、僕自身ライブで演奏していてもすごく楽しいんです。キーボードのサポートが入ったということで、バラードの中での王道の演奏も當然求められていると思いますので、そこはしっかりと弾きつつ。今回も、隠し味的な要素で″よくよく聴くと″みたいな変わった音をさり気なく入れています。インタールードはしっかり任されるので、そこは遠慮せずにガンッ!と行かなきゃと思いますけど、ずっと同じ場所にいるというよりかは、楽曲によって(存在として)前に行ったり後ろに行ったり、いろいろとやっていけたらな、と思っています。

お話を伺っていると、すごく難易度の高いことをなさっていますよね。

ハジメタル
鍵盤の人って、ジャズとクラシックどちらかが得意とか、〇〇が個性で、というスタイルでやってらっしゃる方が多いと思うんですけど、僕は良くも悪くもどちらでもないというか。めちゃめちゃピアノが上手いというわけでもないので(笑)、その曖昧な位置ならではのところでしっかりとサポートできればな、と。そういうところで一番參考になるのは、ステージ上にいらっしゃった佐久間(正英)さんの立ち位置なんです。

歴代サポートキーボードの方ではなく、佐久間さんがモデルだ、と。それは非常に興味深いです。

ハジメタル
いろいろな映像を観て、歴代の素晴らしい先輩キーボーディストの方々の演奏も當然參考にしたんですけど、『GLAY EXPO』とかでさり気なくステージにいる佐久間さんの姿は、參考になりましたね。レコーディングの楽曲データもいただいたんですけど、「あ、こんな感じで入れてるんだ」と気付かされて。テクニック的なこともそうだし、聴こえるか聴こえないかぐらいで入ってる、という入れ方なんです。昔は僕も派手にピアノソロを弾く人に憧れたりもして、実際そういうのやってきたんですけど、GLAYにおいては一歩引いた目線でちゃんと全體を見られる位置が重要なんだろうなって。一番年下でありながら、求められるのはそういうことなのかな?と思うんです。必要以上に入れ過ぎない。でも、いないと足りないな、という引き算みたいな感じというか。それを一番感じたのが、佐久間さんの立ち位置だったんです。時にギターも弾いたりもするし、いろいろな楽器ができるということが羨ましいですね。例えば、一番思ったのは「Winter,again」で、以前は全く気付かなかったんですけど、Aメロの後ろでオルガンが鳴っているんですよね、薄く。ペダルで音量がフワッと上がって行って、本當にさり気なく入ってるんです。言われなければ分からないぐらいなんですけど、無いとあの感じが出ないんです。普通やりがちなのは、そこを普通に埋めたりフレーズを入れて存在感を出したりすることなんですけど、GLAYでは基本的にTAKUROさんとHISASHIさんが上物を充分に鳴らしていて、そこで更に「あったらいいな」という音がフワッと入っていて、気付くと急にいなくなって…みたいなのがいい。けど、イントロではメインのフレーズを弾いてる、というか。プロデューサーが亀田(誠治)さんに変わってからも、やっぱりGLAYにおけるキーボードの位置、鍵盤の基礎はそこにある、と僕は感じています。その中で、歴代のキーボードの方々は味付けをしていると思うんですけども。そういう伝統と、僕ができる新しいアプローチ、両方を大事にしていきたいですね。

GLAYの音楽論としてもすごく面白いお話でした。

ハジメタル
ただのキーボードとして入ると、(GLAYの場合)情報過多になっちゃうんじゃないのかな?とは思っていますね。

そこで、あえて弾かない、空気だけを足すという方法論が必要になるわけですね。

ハジメタル
そうだと思います。メンバーではなくサポートだからこそ、ポジショニングとしても常にそれはあるし、まずは基本なんじゃないのかな?と思っていますね。だからこそ、出てほしい時は「よろしく!」という感じで任されて出ていく時もあるし、でも、常に前にいるというのは絶対に違うと思うし。だから、自分で考えてそうしている、というよりは、既にそうなっている、というのもあると思いますけどね。歴代の皆さんがどう考えてきたかは分からないですけど、僕はそう思いました。

最後に、5月29日(土)に配信されるJIROさんプロデュースライブ『THE ENTERTAINMENT STRIKES BACK LIFETIME MUSIC』への意気込みをお聞かせください。

ハジメタル
JIROさん楽曲なのでロックでシンプルな感じの曲と、あとはメロディックな曲、両方あるのでそれに対してアプローチできればな、と思っています。

JIROさんとはもうやり取りを始められているのですか(※4月下旬現在)?

ハジメタル
いや、まだですね。

では、これから始まるという感じですね。

ハジメタル
そうですね。いきなりいろんなことが始まるかもしれないです(笑)。まだ分からないことがいっぱいありますが、ストリングスが入るライブは初めてなので、一體どんな感じになるのか、楽しみにしています!

文?大前多恵

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